昨日、「フィンランドの教育に学ぶ、生き方と学び方のヒント」という講演に参加させていただきました。
講師はラーニングプランナーの高坂翔輔さん。何度もフィンランドに足を運び、教育に携わっている方です。
ところで、国際学力調査って知っていますか?
3年に一度全世界で行われる学力試験で、最近の2016年にはシンガポールが総合1位になりました。シンガポールは日本の教育を参考にしたそうで、テストに向けた詰め込み教育が特徴のようです。
ただ、日本やシンガポールと正反対の教育スタイルで1位になった国もあるんです。それが今回のメインであるフィンランド。
2000年以降は学力上位国の常連で、2013年の国際学力調査では世界一にもなっている国です。
そんなフィンランドの教育の特徴がこちら。
- 宿題は減らし、子供には遊ばせる
- 勉強時間が短い
- 小学校から大学まで無料
- 教師の勤務時間が短い
- 幼稚園は7人、小学校は20人に一人に教員がつくという法律
どうですか?日本の感覚からすると驚きますよねこれ。
いま挙げたのはほんの一例で、ほかにも日本とは違うことがたくさんあります。
ぼくは教育を専攻して学んでいるわけではなく、専門的な知識があるわけでもありません。それでも今回の講演を聞いて、日本にいる自分たちの生き方や考え方にも確実に活かせると思いました。
教育大国フィンランドから学べる、幸せな人生にするための「生き方・考え方」があるのではないでしょうか。今回はそんなお話です。
米国映画監督のマイケルムーア氏が取材したドキュメンタリーもあるので、こちらに載せておきます。これを見るとますますフィンランドの教育に驚きますよ。
なぜフィンランドの学力が高いのか
フィンランドが教育に力を入れるようになったのには理由があります。そのきっかけは、1991年のソ連崩壊です。隣国ソ連への輸出に頼っていたフィンランド経済は最悪の状態になり、国がなくなる心配があったほど危機的状況に陥りました。
そこで、どうせ国にお金がないならもう教育に投資するしかないじゃないかという考えになり、教育改革が行われたそうです。
フィンランドの教育が成功し平均学力が高くなった理由は、学力の高低差を小さくしたことです。つまり、学力の底上げをするのが上手な国だということ。
具体的には、周りにおいていかれて自信を無くしてしまった子には、まず好きなことに没頭できる時間をつくります。そうしているうちに自分に自信がつくようになり、また自ら学ぶようになるように仕向ける。もちろん学校には好きなことができる充実した環境が整っています。
先ほどの映像にもありましたが、テストで点を取るための勉強ではなく、なりたい自分になるための勉強という考え方で、実現したい夢を目指すために早い段階から取り組ませていきます。そのために子供にはしっかり遊ばせて、いろんなことに興味をもたせるようにします。
こうして興味を持った子供に対して、その人に会った教育をしていく。そうすることで詰め込みで押しつけられる勉強ではなく、自ら学習し学ぶ仕掛けをつくっているんです。
「将来何になりたい?」はナンセンス
フィンランドの教育について学んでみて印象に残ったのは、
「将来何になりたいの?」ではなく、「あなたはどう生きたい?」
という考え方です。
「将来何になりたい?」がナンセンスな理由は、今の時代その仕事がこれからもあるかなんて分からないから。
そうではなくて、
- あなたはどう生きたいの?
- そのために何になればいい?
- そうなるためにどうすればいいの?
という掘り下げかたで将来の自分について考えてみるんです。
この考え方、なんかしっくりきませんか?
ここからは自分たち自身につなげて考えます。
決してテストで点を取るための教育ではなく、叶えたい夢を目指すために勉強をするフィンランド。
では、それを自分自身につなげるにはどのようにすればいいのでしょうか?
まずぼくらは、「夢」とまでいかなくても自分がどうなりたいかを考える必要がありますよね。
その段階で混乱しやすいのが、漠然と将来の仕事を考えて行動に移せていないパターンです。つい先日の『将来やりたいことに悩むなら、「今できる」を行動するのが近道』という記事にも書きましたが、自分からほとんど行動もせず「なんとなく安定な方に」といった考えの人は実際にいます。
でも、その仕事がこの先あるかもわからない時代でその「安定」の保証はあるんでしょうか?答えはNOだと思います。
それこそが、「将来何になりたい?」と真っ先に考える思考がナンセンスな理由でしょう。
しっかり遊んで自分の興味を広げさせるのがフィンランドのする教育。さらにその興味に合った環境で勉強させることで、自分から勉強して学力がどんどん伸びていきます。というのもフィンランドでは、中学校から日本の大学のように自分で授業を選択するそうです。
では僕らも同じように、
- 自分から行動して興味を広げること。
- そして自分がどう生きたいのかを考えること。
- そして、何になりたいかをイメージする。
- それができたら、自ら勉強できる環境に自分を置いてみる。
という順序を踏めばどんどん成長して、「自ら行動して考えた自分の生き方や夢」を叶えていけるのではないかと思います。
これを書いているうちに自分ももっと行動しなきゃと考える一方で、まずは自分の好きなことをしていけばいいんだと思えてきました。
どんな生き方がしたいかをはっきりさせて、自分をひとつ上のハードルにもっていきましょう。